財産管理委任契約
財産管理委任契約とは、自分の財産の管理や生活上の事務の全部または一部を、代理権を与える人を選び、具体的な管理内容を定め委任する契約です。
財産管理委任契約は、当事者間の合意のみで効力が生じ、内容も自由に定めることができます。
財産管理委任契約と成年後見制度の違いは、成年後見制度では精神上の判断能力減退があった場合に利用できるものですが、財産管理委任契約はこのような制限は無く、減退がない場合でも利用できる点です。
従って、すぐに管理を始めなければならない場合、判断能力が徐々に低下してもその前から管理を継続させたい場合、死後の処理も依頼したい場合等に有効な手段といえます。
【メリット】
・判断能力は不問
・契約内容を自由に選べる
・本人の判断能力が減退しても、契約が当然に終了するものでなく、特約で死後の事務についても委任できる
【デメリット】
・契約が公正証書で作成されず、また、登記もないため、社会的信用が十分とはいえない
・監督人がいないため、委任されたもののチェックがしにくい
・取消権がない
